城郭構造-曲輪配置による分類

城郭内にある一定区画を分けている区域を曲輪(くるわ)という。郭(くるわ)とも書く。

本丸、二の丸、三の丸と呼ばれるのがそれで、曲輪は軍事的・政治的意図を持って地形などを考慮して配置される。

曲輪やこれに伴う堀や石垣、門の位置など城全体の設計を縄張(なわばり)という。これは城を作る際に縄を張って設計したからで、現代、勢力範囲の意味で使われる「縄張り」の語源とか。

 

曲輪配置の種類=縄張りの種類

※Wikipediaを参照、画像はskechupで自作

・輪郭式

 

本丸を囲む二の丸、二の丸を囲む三の丸、という縄張。4方向に対して等しく防御が厚くなるが、曲輪を囲んでいく構造のために城郭の規模を大きくせざるを得ない。平城に多い縄張。(例:山形城、松本城、大坂城など)

・連郭式

 

本丸と二の丸を並列に配置する縄張。奥行は深くなるものの、本丸の脇や背後が露出してしまい、その結果搦手などの守りが追手(大手)に比べ手薄になることもある。(例:松山城 (備中国)、松山城 (伊予国)、盛岡城など)

・梯郭式

 

本丸を城郭の片隅に配置し、周囲の2方向、あるいは3方向を他の曲輪で囲む縄張。本丸の露出している側(たとえば背後)に、湖沼や山河、絶壁などの「天然の防御設備」がある場所に向く縄張である。(例:岡山城など)

・階郭式

 

曲輪群を階段状に配置する形式であり、戦国時代の山城や江戸時代の初期の平山城にこの構造の城郭がある。山や丘の地形を活かして築城される場合によく用いられた。(例:姫路城、丸亀城、熊本城など)